【新潟市】持続可能な議会運営を見据え、
moreNOTEを活用してICT化を実現
新潟市議会では、会議のために大量の資料を印刷していた。しかし、タブレット端末を導入してICT化を進めることで、議会運営の省資源化を図ることに着手。議会と執行部双方の必要な機能を考慮し、moreNOTEを採択した。導入の決め手は使い勝手の良さだったという。moreNOTEの具体的な運用方法と効果を伺った。
導入効果 |
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議会では、大量の紙を使用していた
moreNOTEを導入した背景には、どのような課題があったのですか
議会では、どうしても資料が大量に必要となります。資料を印刷すると膨大な量の紙を使うことになりますし、印刷と冊子にするための作業に手間と時間が取られます。また、資料を組んだ後で差し替えが生じた場合、更に手間がかかります。
最も大量の紙を使うのは、本会議で使用する資料です。作業は2人の担当者が手分けをして対応し、コピー機も2台、多い時は3台をフル稼働させていました。定例会は年に4回あります。会議ごとに資料が10種類程ありますし、20~30ページある議員の一般質問の資料も110部程用意しなければなりません。すると、市役所全体で年間約30万枚の紙を使っている状態でした。
また、本会議の開催日には、職員が資料を1種類ずつ議員の席に置いた後、漏れがないか一席一席確認する必要があり、数名の職員がその作業に1 時間近く時間を取られていました
moreNOTEに注目した理由と導入の決め手を教えてください
本市議会には、議員が持ち寄りで改革事項を取りまとめ、課題解決の方法を検討する議会改革推進会議があります。その会議において、時代の流れもあり、タブレット端末を導入して議会を効率化してはどうかという提案がありました。
令和元年12月には、議会のICT化やペーパーレス化を実施するため、議会改革推進会議の下に、各会派から選出した議員で構成する「タブレット端末導入検討作業部会」を発足して、検討を進め、令和5年2月にタブレット端末の運用を開始しました。
実際に会議で利用するにあたって、どのような機能が必要かを議論していきました。議員の立場では、複雑な操作がなく自動で資料が表示されることや、紙資料と同じように資料を同時に表示して、文章の見比べができることなど、簡単に操作ができることを重視する意見がありました。また、事務局や執行部の立場では、資料の差し替えや削除がすぐにできることや、資料やフォルダーそれぞれに閲覧の権限が付与できることなど、管理の手間が削減できる機能を重視しました。議会と執行部の使い勝手を追求し、セキュリティ対策関連の項目も加えた仕様書を作成し、公募型プロポーザルを実施しました。
3社から提案があり、評価基準に則り公正かつ客観的に審査を行い、mor eNOTEを採択しました。
導入の決め手は使い勝手の良さです。提示した仕様を満たしているのはもちろん、カレンダー機能などが優れていることを評価しました。
moreNOTE のマルチペアリング機能が好評。資料の作り方も改善された
moreNOTEの使い勝手はいかがでしょうか
現在、本会議はもちろん、常任委員会、特別委員会、他にも事前に資料の配付が必要な会議に関しては、moreNOTEを活用しています。
タブレット端末は64台を用意し、うち50台を議員に貸与しました。議員の個人管理としています。
「タブレット端末導入検討作業部会」でタブレット端末の活用が決定した際、議員からの反対はありませんでしたが、タブレット端末を使ったことのない議員もいることから、そのような人が取り残されないやり方で進めて欲しいという要望はありました。そのため、一定期間は紙の資料も併用するようにしました。また、富士ソフトさんにお願いし、議員に使用方法の説明をしてもらいました。議員は50名いるので直ぐに理解する議員もいれば、タブレット端末の操作が苦手な議員もいます。使い方が分からないという議員には個別で対応していますが、令和6年2月にはタブレット端末での資料提供に一本化しました。
これまでの会議運営を見ていると、やはり、マルチペアリング機能が好評です。委員会の時には議員全員に資料が表示されるよう、執行部で操作しています。紙の資料だと「何ページのどこどこにある資料を見て下さい」と言わなければなりませんでしたが、自動でページが切り替わり、ポインターの表示もできるため、進行がスムーズになりました。また、執行部も、タブレット端末に合わせた資料の作り方をして見やすくしたり、資料の順番に配慮したりするなど、資料の見せ方が変わってきました。
moreNOTE導入後の効果や今後の期待について教えてください
タブレット端末での資料一本化をしたばかりなので今はまだ、見えないところではあります。とはいえ、資料を印刷する紙は大幅に削減できるでしょうし、資料作成の工程や配付する手間と時間も軽減されることを期待しています。また、会議後の資料保管スペースの確保にも苦慮しないで済みそうです。
今回のmoreNOTE導入をきっかけとして新潟市役所全体としてもICT化が進んでいく可能性はあります。もともとのスタートが議会のICT化やペーパーレス化だったので、moreNOTEが活躍していくことで、テクノロジーの活用が進んでいくことを期待しています。
【新潟市ってどんなとこ?】
新潟市は、サンフランシスコや天津、リスボンとほぼ同じ緯度にあり、東京から北北西約250キロメートル、上越新幹線で約2時間の位置にあります。日本海、信濃・阿賀野の両大河、福島潟、鳥屋野潟、ラムサール条約登録湿地である佐潟など、多くの水辺空間と自然に恵まれ、コハクチョウの越冬数は日本一を誇ります。
江戸時代から物流拠点「新潟湊」の機能を生かして賑わいを見せていた「新潟町」は、安政5(1858)年に、アメリカ・イギリスなど5か国との修好通商条約によって、函館・横浜・神戸・長崎とともに開港5港の一つに指定され、世界に開かれた港町となります。
国際空港や港湾、新幹線、高速道路網などが整備された交通拠点であると同時に、国内最大の水田面積を持つ大農業都市でもあるという、他の都市には見られない特徴を兼ね備えており、これまでにない政令指定都市として、これからも発展を続けていきます。
議会事務局
(右から)
議事課委員会係
長沼 大介 氏
総務課
齋藤 淳 氏
調査法制課
渡辺 智洋 氏
議事課委員会係
山田 麻衣子 氏
自治体名: | 新潟市 |
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所在地: | 〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1 |
導入時期: | 2022年11月 |
URL: | https://www.city.niigata.lg.jp/ |
※当事例は2023年12月時点の情報です。 |